私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。

久我山くんは、照れ臭そうに言う。


「普通のクラスメイトだったら、こんな楽しそうな光峰さんを見ることなんて、できなかっただろうから。

だから、その……、

……これからも、光峰さんには、ずっと笑っていて欲しい。
自分のこと、『気持ち悪い』なんて、言わないで欲しい」

「久我山くん……」


昼休みに私が言ったこと、気にしててくれたんだ。

本当に、優しい人なんだなぁ。


「……ありがとう」

「あとさ、……できれば、俺も真昼みたいに呼んでほしいな。名前で」

「え?」


私がきょとん、と目を丸くすると、久我山くんは早口で付け足した。