「光峰さんこそ、彼氏いないの?」
私がきょとん、とした顔をすると、久我山くんは慌てた。
「あ、別に、変な意味じゃなくてさ!
俺とこんな風に2人きりでいて、彼氏がヤキモチ妬いたりしないのかなって、ふと気になっただけ!
光峰さん、モテそうだし」
「……そんなことは……、」
『そんなことはない』と言ったら、ちょっとだけ嘘になる。
自慢ではないが、何回か男の子に告白されたことはある。
相手はクラスメイトだったり、全く話したことのない先輩だったりした。
が、私はそれを全て断ってきた。
そうすると、相手の男の子は、『もう彼氏がいるの?』って聞いてきて。
『いない』って私が答えると、『じゃあ、他に好きな人がいるのか?』って問われて。
私はその問いかけを、いつも『はい』と肯定してきた。
けれど、その《好きな人》がどんな人なのかは、誰にも話したことがない。
「…………」
正直に話そうか、すごく悩んだ。
久我山くんは既に私の秘密を知っているし、人に言いふらすようなタイプでもなさそうだから、話してもよいかもしれない。
それはそれとして、口にするのがすごく照れ臭い。
こんな風に、自分の口から、面と向かって誰かに想いを打ち明けるのは、初めてだから。
私が言いづらそうにしてると、久我山くんが慌ててフォローした。
「ご、ごめんっ、変なこと聞いたよね! 忘れて!」
「や、別に嫌がってるとかじゃなくて!
…………。
……笑わないで聞いてほしいんだけど」
「うん」
「……私、今まで、彼氏が欲しいって、一度も思ったことがないの。
────烈華様に恋してるから」
久我山くんが、ぽかん、と口を開けた。
私がきょとん、とした顔をすると、久我山くんは慌てた。
「あ、別に、変な意味じゃなくてさ!
俺とこんな風に2人きりでいて、彼氏がヤキモチ妬いたりしないのかなって、ふと気になっただけ!
光峰さん、モテそうだし」
「……そんなことは……、」
『そんなことはない』と言ったら、ちょっとだけ嘘になる。
自慢ではないが、何回か男の子に告白されたことはある。
相手はクラスメイトだったり、全く話したことのない先輩だったりした。
が、私はそれを全て断ってきた。
そうすると、相手の男の子は、『もう彼氏がいるの?』って聞いてきて。
『いない』って私が答えると、『じゃあ、他に好きな人がいるのか?』って問われて。
私はその問いかけを、いつも『はい』と肯定してきた。
けれど、その《好きな人》がどんな人なのかは、誰にも話したことがない。
「…………」
正直に話そうか、すごく悩んだ。
久我山くんは既に私の秘密を知っているし、人に言いふらすようなタイプでもなさそうだから、話してもよいかもしれない。
それはそれとして、口にするのがすごく照れ臭い。
こんな風に、自分の口から、面と向かって誰かに想いを打ち明けるのは、初めてだから。
私が言いづらそうにしてると、久我山くんが慌ててフォローした。
「ご、ごめんっ、変なこと聞いたよね! 忘れて!」
「や、別に嫌がってるとかじゃなくて!
…………。
……笑わないで聞いてほしいんだけど」
「うん」
「……私、今まで、彼氏が欲しいって、一度も思ったことがないの。
────烈華様に恋してるから」
久我山くんが、ぽかん、と口を開けた。

