そう、問題はそこである。
そもそも久我山くんさえ来なければ、私が《ヤミノツキ》であることもバレず、人生終了の危機に直面せずに済んだのだ。
久我山くんは苦笑すると、片頬を指で掻いた。
「あー……。やっぱり、俺邪魔だよね。『エレアル』も読んだことないし。
真昼と2人の方が、そりゃ盛り上がるよね、ごめん」
「! いや、そういう意味じゃなくて!
単純に疑問に思うだけだから!
全然、迷惑とかじゃなくて!」
「はは、気ぃ遣ってくれてありがとう。
実は、うちの妹がうっかり母に口を滑らせちゃってさ」
「ごめんなさい、私のせいなんです……」
久我山くんの横に座る真昼ちゃんが、しゅんとうなだれた。
「出かける直前、お母さんにどこに行くのか聞かれて……。
『ネットで知り合った人とお茶しに行く』って言ったら、『1人で知らない人と会うなんて絶対ダメ!』って止められちゃったんです……」
「ほら、ちょっと前にテレビの特番でネットの危険性がどうとかやってたじゃん。
女子高生のふりをした男とSNSでやりとりしてトラブルに……みたいな。
うちの母さん、ああいうの影響受けやすくてさ」
「私が何度も『相手は女の子だし、何年もやり取りしてて仲の良い人だから大丈夫』って言っても、全然取り合ってくれなかったんです……。
何十分もリビングでお母さんと話し合ってたら、お兄ちゃんが来て、『俺が一緒に行く』って言ってくれて。
お母さんも、『それならいい』って許してくれて。
本当は事前に連絡しておくべきだったんですけど、話してたら家を出る時間がギリギリになっちゃって、そこまで頭が回らなかったんです……」
「そういうわけで、びっくりさせて本当ごめん! 光峰さん!」
「ごめんなさい!」
話し終えると、久我山くん兄妹は、揃って頭を下げた。
そもそも久我山くんさえ来なければ、私が《ヤミノツキ》であることもバレず、人生終了の危機に直面せずに済んだのだ。
久我山くんは苦笑すると、片頬を指で掻いた。
「あー……。やっぱり、俺邪魔だよね。『エレアル』も読んだことないし。
真昼と2人の方が、そりゃ盛り上がるよね、ごめん」
「! いや、そういう意味じゃなくて!
単純に疑問に思うだけだから!
全然、迷惑とかじゃなくて!」
「はは、気ぃ遣ってくれてありがとう。
実は、うちの妹がうっかり母に口を滑らせちゃってさ」
「ごめんなさい、私のせいなんです……」
久我山くんの横に座る真昼ちゃんが、しゅんとうなだれた。
「出かける直前、お母さんにどこに行くのか聞かれて……。
『ネットで知り合った人とお茶しに行く』って言ったら、『1人で知らない人と会うなんて絶対ダメ!』って止められちゃったんです……」
「ほら、ちょっと前にテレビの特番でネットの危険性がどうとかやってたじゃん。
女子高生のふりをした男とSNSでやりとりしてトラブルに……みたいな。
うちの母さん、ああいうの影響受けやすくてさ」
「私が何度も『相手は女の子だし、何年もやり取りしてて仲の良い人だから大丈夫』って言っても、全然取り合ってくれなかったんです……。
何十分もリビングでお母さんと話し合ってたら、お兄ちゃんが来て、『俺が一緒に行く』って言ってくれて。
お母さんも、『それならいい』って許してくれて。
本当は事前に連絡しておくべきだったんですけど、話してたら家を出る時間がギリギリになっちゃって、そこまで頭が回らなかったんです……」
「そういうわけで、びっくりさせて本当ごめん! 光峰さん!」
「ごめんなさい!」
話し終えると、久我山くん兄妹は、揃って頭を下げた。

