私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。

あと、気になるのは……。


「…………」


授業中、私はこっそりと、前方の席に座る優星くんの様子を伺っていた。

あの告白以来、彼とはほとんど話していない。

目が合えば挨拶はするし、クラスメイトとして連絡事項を伝えたりはするが、それだけだ。


柚木さんからも、『久我山くんとは別れたの?』なんて心配そうに訊かれたが、どう答えていいか分からず、結局誤魔化してしまった。

宝城先輩の件は解決したのだし、もう、付き合っているフリは必要ないのだけれど……。

優星くんに相談せず、一方的に『別れました』と周りに広めるのは悪い気がして、私は何もできずにいた。


そんな時。私は、優星くんに呼び出された。