私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。

「もしもし? ごめん、寝てた?」


スマホから聞こえてきたのは、気遣わしげな優星くんの声だった。


「メッセージが返ってこないから心配で、思い切って電話かけてみたんだけど、迷惑じゃない?」

「そんなこと、ないよ……」

「深月?

「……烈華様が、…………」

「うん」

「烈華様が……しっ、死んじゃっ、て……っ!」


そこから先は、もう言葉にならなかった。

電話口でわんわん泣く私の話を、優星くんは静かに聞いていてくれた。

『死んじゃった』『なんで』『どうして』と、何度同じ言葉を繰り返しただろうか。

優星くんは、泣きじゃくる私の言葉を、何も言わずに聞いていた。