部屋に戻ってからは、しばらく何もせず横になっていた。
昼前になってようやくスマホを見ると、いくつかメッセージが届いていた。

『今週のエレアル読みました。
深月さん、大丈夫ですか?』
という、真昼ちゃんからのメッセージ。

『深月、休むなんて珍しいじゃん。
風邪でも引いた?』
という、陽菜からのメッセージ。

『今日休んだのって、もしかしてエレアルが原因?
真昼から、今週のエレアルのこと、聞いた。
俺でよければ話聞くよ』
という。優星くんのメッセージ。


どう返信していいかわからず、スマホを床に転がすと、私は再びベッドに横たわった。


烈華様が死んだ。

この先の『エレアル』に、彼は出てこない。

先週までは、烈華様の活躍に瞳を輝かせていたのに。

あまりにも突然すぎて、私は事実を受け入れられずにいた。


実は死んでいなかったり、奇跡の力で助かったりするんじゃ無いだろうか。
そんな期待を抱いては、紅々葉先生の言葉を思い出して打ち砕かれる。


死んだのだ。

烈華様は。

あんなにも呆気なく。



「……ぅ……」


油断すると、目が熱くなって、涙が止まらなくなる。

どうして、烈華様が死ななきゃいけないんだろう。

あんなに強くて、格好よくて、私に希望を与えてくれた人なのに。

ご飯もあまり喉を通らず、ずっと寝込んでいると、夕方ごろにスマホが着信音が鳴った。

その音は、メールや通知ではなく、電話のものだった。