観覧車を降りたあと、私たちは、先ほど入ったのとは別の、園内で一番大きいお土産屋さんに入った。


「あ、これだよね! 真昼ちゃんが言ってたマグカップ」

「うん、でも……」


そこにあったマグカップは、ひとつだけ。

店員さんに尋ねたところ、予想以上の売れ行きで、残り一個になってしまったらしい。


「もっと早く買えばよかったかな
マグカップってかさばるから、持ち運びにくくて、後回しにしちゃった」

「光峰さん、買っていいよ。
真昼には、俺からうまく言っておくから」

「だめだよ!
真昼ちゃん、バレー頑張ってるだろうし、買っていってあげて!
私はいいよ。今日は優星くんのおかげで、これが手に入ったし」


袋に入ったブランケットを掲げて、私は笑った。


「……このマグカップ、来月は違う柄が発売されるみたいだね」

売り場につけられた、写真付きのPOPを見て、優星くんはつぶやいた。


「本当だ。こっちの柄も可愛いね」


今回買うマグカップは、マスコットキャラのテルルーが書かれた可愛いものだ。
しかし、来月発売予定のものは、『エレアル』のキャラたちがミニキャラで描かれている。

烈華様のミニキャラもいるし、こちらのデザインの方が私好みだ。


「……よければ、来ない? 来月も」


優星くんは、少し黙ったあと、意を決したようにそう言った。