私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。



「うん、いいねいいね!」

眼鏡とマスクでいい感じに変装できたおかげで、優星くんが女の子たちに注目されたり、声をかけられたりすることは避けられた。

一安心したところで、私たちは、『エレアル』キャラが登場する4Dシアターや、屋内型コースターを楽しんだ。


「はー……すごかったぁ」


3Dや4Dの映像って、あんなに綺麗なんだ。

まるで『エレアル』のキャラがすぐそばにいるかのような臨場感に、私はすっかり虜になってしまった。

すごいなぁ……あの映像を作るのに、とんでもなくお金や手間がかかってるんだろうなぁ。
改めて、作ってくれた人に感謝しかなかった。


「次はどこ行く? 深月」

「どうしようかなあ……」


コラボフードもお昼にしっかり食べたし、お土産を見るにはまだ早い。

迷っていると、メタリックなカラーをした巨大な二足歩行のネコが、私たちの前を通り過ぎた。


「「……テルルー!!」」


考えるより先に、私たちは同時に駆け出していた。