目を覚ました咲。
「咲?」
何度か瞬きをしながら、あたりを見ようとしている。
咲が目を覚ましたのは朝陽が昇ってから。

「咲?」
医師が点滴を外す時も待ったく目を覚まさなかった咲。
熱が高いからと、仕事は休むことになった。

「・・・」
玲の方を見て、咲が何か話そうとして少し咳込む。
「待って。」
玲は近くに用意してあった水をカップに注ぎ、咲の背中を支えて体を起こした。
触れた体が熱い。

かなり熱は高く、解熱剤を注射してもらったばかりの咲。
体を支えたまま、カップを咲の口元に近づける。