それでも、咲が驚いて玲をみると玲が力強く頷いた。
「俺も、その名前しか浮かばなかった。」
そう言って頷く玲。

咲はずっと決めていた。
男の子だったらこの名前にしようと。


「絶対に守る。咲も。この子も。俺のすべてをかけて守る。」
「私も。玲もこの子も。」
大切な大切な存在が増えることは、こんなにも景色が変わるのだと二人は知った。
そして、自然と今まで知らないくらいの力が湧き上がってくる。

「なんだってできる気がする。」
「私も。」
温かな日差しが差し込む病室。

今まで生きて来た中で一番、あたたかな瞬間だった。