「お義父さんだよ」
突っ伏してしまった咲の頭を撫でながら玲が言うと咲が顔をあげた。
「え?」
「政信代表」
「え?」
ぬいぐるみを見ながら咲は父の顔を想像する。

「いがいだろ?食堂の隣の部屋に、こういうのめちゃくちゃある。」
「・・・え?本当に?」
「本当。思わず笑っちゃった。」
咲も、玲の持っているぬいぐるみをもう一度見てからふっと声を出して笑った。

「いがいすぎ・・・」
「だろ?」
少し元気になった咲に玲も笑顔になる。

「顔、洗おうか。」
「うん」
玲は咲の体を支えながらいつものように洗面室へと向かうのだった。