「すごいな」
その部屋の荷物の多さに圧倒される玲。
「毎日のようにここに荷物が運び込まれているんですよ。かなり楽しみにされているんですね。代表は。」
さっき話したばかりの家政婦が微笑みながら玲に言う。

「お嬢様に見つかると叱られるかもしれないからと、ご主人から伝えてもらうタイミングを探していたのではないですか?」
家政婦の言葉に玲は思いわず笑ってから、その部屋に置かれたものを見た。

ぬいぐるみやおもちゃ、服、絵本。
どれもかわいらしいものばかりでどんな顔をして政信が選んだのかを想像するだけで微笑ましい。

玲はその中から一番かわいいぬいぐるみを手にして、咲のいる部屋に向かった。