温かな光がさしこむリビング。

窓からは季節の花がきれいに揺れている。

『咲、お父さんが怖い。』
『どうして?』
『だって怖い』
『それは咲を愛してるからよ。愛してるから心配で、愛してるから厳しいの。本当は優しい人よ。』

いつの日かの母との会話を思い出す。

「女の子だったらお嫁になんて絶対出さない。男の子だったら絶対にバイクの免許はとらせない。」
そう言って自分のお腹に触れる玲を見つめながら、咲は温かな気持ちに満たされるのだった。