「聞いてくれる?」
「もちろん」
玲はそっと咲の手を握った。

どんな話でも受け入れようとしている玲の気持ちが咲に伝わる。

話をする前から、咲の瞳からは涙が溢れる。
「うまく話せないかも・・・」
弱気になって自分の涙を拭う咲。

「それでもいい。聞かせてほしい。」
「・・・」
穏やかに優しく微笑む玲に咲は頷く。

「私・・・私に生まれてくることができてよかったって思ってる。」
「うん」
「玲と出会えた。玲だけじゃない。素敵な人とたくさん出会うことができた。」
「うん」
咲は涙を流しながらも玲の方をまっすぐに見つめて話し続ける。