お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~

「鬼・・・」
もごもごと咀嚼をしながら文句を言っている咲の頭をポンと撫でる。

幼いころからそうだった。
いつだって小さな年下の咲がかわいくて仕方なかった。

「さて、いきますよ。早く飲み込んでください。」
玲は気持ちを切り替えようと、給仕に連絡をとり、片づけをお願いすると、咲に支度と出勤を促す。
「飲み込みました?」
「うん」
「今日も行きますか。戦場へ。」
「はい」
二人は並んで歩き始める。

咲は少しだけ名残惜しそうに庭園の方を見た。
「克子さんと話したかったな・・・」
まだ気にしている様子の咲。
玲は咲が支度をしている間に、克子の勤務状況を確認して、ある事実を知った。

でも、今の咲には言うことができず、数日間克子のことは黙っていることにした。