お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~

「着替えて出勤する時間です。食事、とれませんでしたね。」
「大丈夫。紅茶、おいしかった。」
心配する玲に微笑む咲。
「一口だけでも食べろ」
こういう時、咲には秘書としてではなく、幼なじみとして伝えたほうが食べてくれると玲は知っている。

「こういう時にだけ、秘書辞めるのやめて。」
その手口を知っている咲。
「ほら。一口だけ。これ、好きだろ?」
玲がサンドイッチの横に添えられていたリンゴを咲の口に運ぶ。

「いらない。」
「だめ。これ食べないとしばらく庭園禁止にする」
究極の交渉をしてきた玲に、咲は渋々口を開ける。

まるでリスのように、頬を膨らませてリンゴを食べる咲に、玲はふっと笑った。