一瞬。

ほんの一瞬だった。


鈍い音と共に、真岸の体が床に倒れる。


立ったままの遠藤課長の手には真っ赤に染まる鋭利な輝きをはなつもの・・・。




「いやー!」
悲鳴を上げた咲の元へ、ふらふらと近づく遠藤は、口元に微笑みすら浮かべていた。