会社に着くと咲は玲を案内して回った。
玲を知っている社員たちも、嬉しそうに玲を迎える。

秘書兼護衛係として勤務している時から玲は実力者として周囲からの信頼も厚かった。

懐かしそうに会社を回る玲。
そんな玲の隣に立ちながら、久しぶりに玲の隣を歩く心地よさと懐かしさを感じる咲。

「全然違いますね。」
「え?」
真岸が咲に耳打ちする。
「いつもとは全然、お嬢様の表情が違います。」
「・・・そうかな・・」
真岸の言葉に咲は耳を真っ赤にする。
「なんですか?お二人で。」
玲が声を挟んでくる。
会社にいる以上、玲は咲に対してあくまで秘書兼護衛係の時のように話をする。
敬語で、”社長”と咲を呼んだ。