「何もない状態から俺が経営者としてふさわしい成績を上げることができたら、咲と共同経営者として働かせてもらえるって条件。すべては結果を出すようにって。そのうえで咲が共同経営者としてふさわしいと判断したら宮ノ内に戻れるって。」
「でもそれじゃ・・・」
玲の話に咲は納得できない。

せっかく何もないところから頑張って築き上げた玲の今の地位。
その地位を投げ出して、宮ノ内に戻るには玲のとってのメリットがなさすぎる。

「俺は咲のもとに戻るためだけにふんばってきたんだ。それに、俺がこの3年で築き上げたものは、代表からもしも咲との共同経営者になったとしても、存族させていいと言われてる。」
「・・・」
「無理に共同経営者になりたいとは言わない。どれだけの思いで咲ががんばって会社を守ってるか知ってる。でも、隣に居たい。並んで歩くことを許してもらえるように俺なりに努力をしてきたつもりだから。どんな形であれ、咲にふさわしい存在になれるようにこれからも努力することは変わらない。」
「・・・」
咲は少しの間花畑を見ながら何かを考えていた。