真岸は咲と玲のことをよく理解している。

だからこそ、すべてを玲の気持ちを考えるだけで自分の事のように胸が痛んだ。

別に咲に対して真岸は好意を持っているわけではない。
それでもそばにいて、咲の背負うものの大きさに何かしてあげたいのにできないもどかしさが歯がゆい。

それが愛する人だとしたら・・・

なおさら何もできない自分に対して、気が狂いそうなほどの想いを玲はしていただろう。



社長室の大きな窓から見える景色。
その大きな窓の前に立つ咲が小さく儚く見えて、思わず目を背けた真岸だった。