あの人が来てくれることを。

咲はずっとずっと待ち続けている。

だから頑張れるんだ。

だからふんばれているんだ。



「今日は天気がいいですね。」
「そうね」
そばにいても真岸にできることはない。
疲れた時、休憩するための椅子を用意することも紅茶を淹れることもできるようになった。
スケジュールを開けて庭園で深呼吸をする時間を調整することもできるようになった。

でも、咲の背負っているものを代わりに背負うことはできない。