「はっきりというようになったな」
咲は変わった。
この3年間、咲は社長としての実力を大きく発揮し始めた。
「成長したと言っていただきたいです。」
政信に向かって微笑む咲。

「そうだな。成長したな。」
政信の言葉に咲は一瞬驚き目を丸くしてから微笑む。
「ありがとうございます。」

咲が変わり始めたころから政信も変わり始めた。

前は一緒に食事をする前にどこかへ行ってしまっていた政信。
最近ではよく一緒に食事をするようになった。

相変わらず食事中の話題は仕事の話ばかり。
でも、二人の関係が大きく変わったことをこの3年ずっとそばにいた真岸は感じていた。