玲、覚えてますか?幼いころの日々を。
玲は私よりもひとつしか年上じゃないのに、いつだって私を守ってくれた。
叱られるときはいつだって私の前に立って、かばってくれた。
転びそうなときは手を差し出してくれた。
私が泣いてるといつだって私の涙を拭いてくれた。泣き止むまでそばにいてくれた。

あなたという存在に守られて私は甘えてばかりだった。
でもね、私、自分の足で歩けるように、前に進めるように頑張りたいって今思ってます。

大好きなあなたの隣にふさわしい人になれるように、成長したいって思ってます。

自分に自信がなかった私が、こうして頑張ろうって。私らしく頑張ろうって思えたのは、すべて玲がいてくれたから。
運命に逆らおうともせず、周りから求められる存在になろうとばかりしていた私に、玲は私でいいって教えてくれた。認めてくれた。愛してくれた。

だから、頑張りたいって思えた。
ありがとう。

もしも、もう一度会えたらその時は・・・あなたに釣り合えるような人になれてるかな。
もしも、私がちゃんと成長で来てたらいっぱいほめてね。
もしも、その時、玲の隣があいていたら、今度は私にあなたの隣をください。

玲、愛してます。
だから頑張ってほしい。
もっといろんな世界を見てほしい。

体に気を付けて、玲らしく自由に羽ばたいてください。
そしていつか、もう一度会えたら、玲が見た世界を私に教えてね。
昔みたいに、物語を読んでくれたみたいに。





玲は咲の名前を指でなぞる。
ギュッと目を閉じて、胸いっぱいに深呼吸をする。
そして窓の外を見た。