お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~

玲は嬉しそうに微笑みながら、咲の髪を洗い始めた。

これは咲が目を覚ましてから、体に負担をなるべくかけずに過ごせるようにと玲がいろいろと用意したうちのひとつだった。

気持ちよさそうに久しぶりに玲に髪を触れられる咲。
髪を洗い終えると慣れた手つきで玲は髪を乾かし始める。

鏡越しにずっと玲を見つめる咲。

「あんまり見るなよ。照れるだろ。」
そう言って耳を赤くする玲。

なのに、咲は笑わない。

玲は気づいている。
咲は一度も目を覚ましてから笑っていない。
微笑みすらしない。