スーツ姿の玲。
ここ数日眠っていない状態でも、しっかりと仕事をこなしているのはほかの誰でもない。
咲の為だった。

「覚えています」
玲は政信をまっすぐに見ながら返事をする。

「バカだな。お前たちは。」
「・・・はい」
政信は自嘲気味に笑う。

「これだけの大きなものを背負っている以上、お前たちの好きにはさせられない。」
「はい」
「しかし、今の状態はよくない。少しでも打破することが最後の仕事だ。」
「はい」

政信に深く深く頭を下げた玲。