ラブホリック。



「あっ!ちょっと待ってよ。逃げるの?見捨てないでよ」

テキトーなこと言って、あとは放置?
そんなの無責任じゃん。

ゴミを握りしめ、和葉の後を追う。
隣に並んだあたしをチラリと見た和葉。

「もしも旺太くんのことが本気で好きだって言うなら、運命って言葉は使わないほうがいいと思う。これは、あくまでもわたしの意見で。華乃が使いたいなら、使えばいいけど」
「………え、」

そんな。
投げやりな言い方しないでよ。

「使わなかったら、うまくいくの?」
「それは、……わからない」
「えーっ。そんなぁ…」
「試しにやってみてよ。運命って言葉で誤魔化したりしないで。ちゃんと、旺太くんを見て。彼の本質を見抜くの」
「………、」


誤魔化さない?
本質を見抜く?
……どういうこと?


なにも言えずに立ち止まったあたしを置いて、和葉は校舎の中へと消えていった。

何度も言うようだけど。
超絶イケメンに恋したのは生まれてはじめてで。
対処法っていうか。攻略法っていうか。
そんなものは持ち合わせていない。
ただただ、旺太くんへの想いが膨らむばかりで。
好き過ぎて、胸が苦しくて。
毎日毎日、旺太くんのことを考えては、どうやってあたしのことを知ってもらおうか悩んでいる。

それなのに。
和葉から、なんだかよくわからない課題を出されてしまったものだから。
これはもう、頭を抱えるしかないでしょ。