「…キトが…」 鼻を啜りながら喋り出したあたしに、 「…ん?」 なんて、とてつもなく優しい声を出したりするから、 「…だからっ!ツキトがあんまりにも優しいからっ…!!」 そこで言葉は途絶えた。 あたしの目を、さらに奥深くまで、ゆっくり覗いたツキトは、 一度、優しい動作であたしの頭を撫でた。 「そんなの。あたり前だよ?でもね。俺が優しくするのは、アヤちゃんにだけ。他の誰かにも同じように接する訳じゃ、ないんだよ?」 .