「…ヤちゃん、アヤちゃん?どうしたー?ぼーっとして。」 立ち止まって、あたしをのぞき込んだツキトに、 「…んーん。なんでもないよ?」 返して、歩き続けた。 「…そう?俺、連れまわしすぎちゃったかな?疲れてない?大丈夫?」 心配顔のツキトに、なぜだか涙腺が緩んだ。 「…大丈夫ー!」 わざと明るく返事をしたって、涙は止まらなくて。 「―ちょ…!全然大丈夫じゃないから!!」 焦ったツキトが、あたしの腕を掴んで、歩道の隅に移動させた。 .