「今日はねー、わかめチーズだよー。」 隣のツキトはもう、おにぎりにかじりついている。 まだあたたかい、おにぎりはきっと、ツキトが心を込めて握ってくれたんだろう。 あたしもひとくちかじって、丁寧に、噛みしめた。 「美味しいね。ありがとう。」 横を向いたら、ツキトが優しく微笑んだ。 「それは良かった。」 一言だけ、ツキトが呟いて、静かになった車内。 穏やかな空気が流れている。 .