「ここ、よく来るんだ。」 ツキトが車を停めたのは、街が見下ろせる高台で、 「夜に来ても綺麗だから、今度は夜に来ようね。」 ハンドルに手をかけて、運転席からあたしを見た。 「んで、今日は行きたいとこが沢山あるから、悪いけど朝ご飯は、ここで済ましちゃおう。」 ツキトがバックシートを振り返った。 顔が、近い。 そんなことを意識してしまったら、気になって仕方がない。 あたしは一体、何を考えているんだ…。 思わず、顔を伏せた。 .