新月Days




「ってか、ファンデーションなんて塗らなくても、十分綺麗な肌だよ。」



あたしのほっぺたをきゅっとつねった。



「…ちょ!イッタイってば!!」



「名前、教えて?」



あたしのほっぺたをつねったまま、聞いたりする。



「ちょ…とりあえず手を離して!!」



「やだ。名前教えてくんないと、離さない。」



そのまま、また、あたしをのぞき込んだ。



「…橘…綾。」



ふんふん。頷いたツキト。



「タチバナ アヤちゃんね。よろしく。」



あたしに右手を差し出した。



.