「やれば出来んじゃん。」 あたしの頭に手をおいて、覗き込みながらツキトが言った。 「…うん。ありがとう。」 俯きながら、答えたあたし。 「あーあぁ。もうヒドい顔になっちゃって。」 スーツのポケットから、ハンカチを出してあたしの顔をゴシゴシこすった。 「やっ!ちょ、ちょっとっ!!化粧がはげちゃう!!」 焦ってツキトの手を退けようとするけど、あたしの手を掴んで離してはくれない。 「はいはい。おとなしくなさい。どうせずいぶん前からはげてますよー?ずるむけだから。」 「……。」 .