泣きながら、暖かいおにぎりを食べ続けた。 気持ちが楽になってゆくのが、わかった。 柔らかく、優しく握ってあるおにぎりは、ほろほろと口の中でほどけてゆく。 そうだ…。 もう、諦めよう。 どれだけ好きでも、叶わないんだ。 もう、絶対に。 こうやって意地を張っていても、何にもならない。 あの人に会うことは、ないんだ。 .