叫ぶ声は、雨音にかき消される。 どれだけ大声を出しても叫んでも、届かない… 「…ツキト…!!」 体中で叫んだら、 「…え…」 雨のにおいに混じって香る、甘いコロン。 ゆっくり振り返る前に、後ろから伸びてきた手に、口元を塞がれた。 その手のひらの温度は、ぬくい…。 .