指先が冷たい。 頬が、痛い。 でも、あたしがツキトに味あわせた痛みはきっと、こんなものじゃない。 ツキト… ツキト… ツキト…。 「ツキト…っ!!」 呟いた声はいつしか叫びになっていた。 このまま、この声が嗄れるまで叫び続けたら、聞こえるかな、届くかな… 「ツキトー!!」 夜空に叫び続けた。 滑稽だって、哀れに見えたって構わない。 だって、ツキトに届かなきゃ、意味がない。 .