「…アヤちゃん…、」 振り向いてくれたツキトは、あたしの名前を呼んでくれた。 「ごめん。アヤちゃんが謝る必要なんて、ないよ?」 ぬくい手のひらが、安心させるように頭を撫でる。 「俺が怒ってるのは、あいつに対して。嫌な思いさせて、ごめん。」 ツキトはちっとも悪くなんかないのに。 あたしを庇うみたいな声色に、想いが溢れてゆく。 .