「アヤちゃん、お待たせ。」 頭上からの声に顔をあげれば、 「はい。お食べー。」 満面の笑みを浮かべたツキトが、両手に小さなカップを持って立っていた。 押しつけるように、片方のカップをあたしに渡しながら、隣に腰掛けた。 受け取った冷たさは、チョコレートのジェラートで。 「ちょこっとラム酒が入ってるんだって。大丈夫?」 あたしが頷くのを確認したツキトは再度、 「お食べー。」 鼻水たくさん流したから、糖分が必要でしょ?なんて、からかうようにあたしに言う。 .