昼休み、 愛子が委員会の仕事でどこかに行っているとき、あたしは教室で中岸くんと話していた。 そこに、矢野原くんも来た。 中岸がいれば矢野原くんは大体来るから、あまり気にはせず、そのまま矢野原くんに話題をふろうとした。が、その前に矢野原くんが口を開いた。 「あれ、…上村さんは?」 「え?あぁ、委員会の仕事なんだって」 「へぇ…」 あたしはそのときの矢野原くんの顔が、焼き付いて離れなかった。 物足りないような、淋しそうな、悲しそうな顔だった。 少しだけ、嫌な予感がした。