一人で暮らしている実家の片付けをするから引っ越しまで時間がほしいと言われていた。きららと暮らして約一ヶ月。誠さんと一緒に暮らす心の準備をするには十分過ぎるほどの時間だった。寧ろ早く一緒に暮らしたい、そう思っていたくらいで。
でも、あまりに急だ。確かに荷物については宇野堂の二階だった実家からきららの部屋に移る前に誠さんの手配してくれた引っ越し業者がきて、運んでくれた。だから今手元にあるのは必要最低限でキャリーバッグがあれば移動できるだろう。だけどきららに挨拶もしていないし……と悩んでいるとバッグのなかでスマホが震える。
マナーモードにしたままだったそれを取り出すと画面には『お姉ちゃん今日誠さんとお泊まり? もうそのまま一緒に住んじゃえば! 楽しんでね』 とニヤニヤした絵文字までついたメッセージがきららからはいっていた。
タイミングが良すぎて誠さんときららはどこかで連絡を取り合っているんじゃないかと思うほどだ。
「えっと、じゃあお言葉に甘えて今日おうちにお邪魔させてもらっても……」
赤信号で車が止まったタイミングで、スマホから顔を上げた私の頬に、誠さんの手が触れる。
「お邪魔じゃなくて、ただいまって言って欲しいな。これからは君と俺の家なんだから」
行き交う車のライトをバックに微笑んだ彼の瞳はいじらしげで、くらっとしそうになる。
でも、あまりに急だ。確かに荷物については宇野堂の二階だった実家からきららの部屋に移る前に誠さんの手配してくれた引っ越し業者がきて、運んでくれた。だから今手元にあるのは必要最低限でキャリーバッグがあれば移動できるだろう。だけどきららに挨拶もしていないし……と悩んでいるとバッグのなかでスマホが震える。
マナーモードにしたままだったそれを取り出すと画面には『お姉ちゃん今日誠さんとお泊まり? もうそのまま一緒に住んじゃえば! 楽しんでね』 とニヤニヤした絵文字までついたメッセージがきららからはいっていた。
タイミングが良すぎて誠さんときららはどこかで連絡を取り合っているんじゃないかと思うほどだ。
「えっと、じゃあお言葉に甘えて今日おうちにお邪魔させてもらっても……」
赤信号で車が止まったタイミングで、スマホから顔を上げた私の頬に、誠さんの手が触れる。
「お邪魔じゃなくて、ただいまって言って欲しいな。これからは君と俺の家なんだから」
行き交う車のライトをバックに微笑んだ彼の瞳はいじらしげで、くらっとしそうになる。


