【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ

 自分を納得させるように呟いて、私はきららより先にベッドに入った。

 翌日の朝、都会でありながら緑溢れる公園はこの辺の憩いの場になっていて、子供連れの家族や、近所のカフェやパン屋で買ったであろう美味しそうな食事を並べてピクニックをする人たちで賑わっている。

 そのなかで私と健二くんは互いの間に小さな重箱を広げて、試食会に耽っていた。
 新作、と言われて並べられたのはどれも宇野堂の名物だった餡子をベースにした和菓子だ。どら焼きに、おはぎ、それから夏らしい金魚鉢をモチーフにした練り切り……どれも綺麗で美味しくて、口に入れた瞬間幸せな気持ちになる。けれど、新作、というにはどこか物足りなさを感じていた。

「……で、これが最後。宇野堂の粒あんを合わせたチョコレート」

 お重の最後の一段に入っていたのは見た目は白くて丸い、普通のショコラ。
「いただきます」といって指で摘まんで口の中に入れると、ほろほろとまるで雪解けのように溶けた。外側を薄くコーティングしていたホワイトチョコは甘さ控え目で、なかから現れた舌触りのいい粒あんとマッチしている。

「美味しい……!」

  思わず漏れた言葉に健二くんが「自信作っ!」とニッと笑った。

「うん、他のもどれも美味しかったんだけど、これは別格に感じる! なにより新作って感じがする」