【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ

 些細なことにも気付いてくれて、気を遣ってくれる。その優しさが苦しい。
 無理矢理でも笑っていないと「彼女」への勝手な嫉妬心で泣いてしまいそうになる。
 純粋に想われている彼女と違って、私は彼へのプレゼントみたいなもので、優しい彼は多分、それを受け入れてくれているだけなのに。もしくは宇野堂のなにかがメリットになって、私はそのおまけに過ぎないのかも。
「はい、ありがとうございます。ご連絡お待ちしています」
 私は声が震えないように精一杯の返事をした。


 彼から連絡があったのはレストランで食事をしてから一ヶ月後、金曜日の夜だった。
 明日の午後の3時間、時間を作ってくれた彼の誘いに私はまるで子犬みたいに飛びつく。

「お姉ちゃん、電話の相手誰だか聞かなくても分かるわ」
 ソファーの後ろから不意打ちで妹のきららが顔を出す。
「お、驚かさないでよ……そんなに態度にでてた?」
「でてたでてた。もう飼い主目の前にした子犬状態だったよ」
 電話の相手も内容も伝えていないきららに分かってしまうなんて相当な浮かれようだったんだろう。私はソファーのクッションを引き寄せて顔を埋める。
「なんやかんや上手くいってるんだね。よかった。おかげでこーんな家に住めちゃうし」
 最初はどうなるかと想ったけど。と揶揄う口調のなかに安堵を感じる。