「……本当に医者に行かなくていいのか?」
ようやくホテルの駐車場をでて、車が向かった先は病院だった。
運転席から私の足下に視線を落として訝る誠さんを私は慌てて制止する。
「本当に大丈夫です。悪化しそうだったら皮膚科にいきますね」
この行動から察するに、彼はかなりの心配性みたいだ。ここで大袈裟だ、なんて言ってしまったら無理矢理連れて行かれてしまいそうで慎重に言葉を選ぶ。
「……分かった」
病院に一直線だった車がUターンしたのを確認して、ほっとする。
確かに痛むけれど、新品の靴を履いたときによくある靴擦れだ。深くもないし、広範囲でもない。個人的には病院にいくほどでもないな、と思う。それに、誠さんが絆創膏を貼ってくれたおかげで風に晒されることもなく、痛みも大分ましになった気がする。
「そういえば、絆創膏を持っているなんて、なんだか意外でした」
ごく自然に取り出された絆創膏に今更驚く。私も普段は絆創膏を持ち歩くようにしていたけれど、今日はバッグを替えてしまったので持っていなかった。
「以前ケガをしたときに手当してもらったことがあってね。その人を真似て持ち歩くようにしているんだ」
遠い昔の大切な記憶を思い出すような口調に、彼の横顔から目を逸らす。きっと彼が思い返している相手は女性だ、となぜか確信してしまう。そして聞きたくないのに、なぜか口にでる。
ようやくホテルの駐車場をでて、車が向かった先は病院だった。
運転席から私の足下に視線を落として訝る誠さんを私は慌てて制止する。
「本当に大丈夫です。悪化しそうだったら皮膚科にいきますね」
この行動から察するに、彼はかなりの心配性みたいだ。ここで大袈裟だ、なんて言ってしまったら無理矢理連れて行かれてしまいそうで慎重に言葉を選ぶ。
「……分かった」
病院に一直線だった車がUターンしたのを確認して、ほっとする。
確かに痛むけれど、新品の靴を履いたときによくある靴擦れだ。深くもないし、広範囲でもない。個人的には病院にいくほどでもないな、と思う。それに、誠さんが絆創膏を貼ってくれたおかげで風に晒されることもなく、痛みも大分ましになった気がする。
「そういえば、絆創膏を持っているなんて、なんだか意外でした」
ごく自然に取り出された絆創膏に今更驚く。私も普段は絆創膏を持ち歩くようにしていたけれど、今日はバッグを替えてしまったので持っていなかった。
「以前ケガをしたときに手当してもらったことがあってね。その人を真似て持ち歩くようにしているんだ」
遠い昔の大切な記憶を思い出すような口調に、彼の横顔から目を逸らす。きっと彼が思い返している相手は女性だ、となぜか確信してしまう。そして聞きたくないのに、なぜか口にでる。


