多分、私の顔は今人生で一番真っ赤だと思う。熱くて湯気がでそうな顔を両手で隠したまま「ありがとうございます」と言う。彼が喉で笑う声が車内に響く。
見えないけど、多分ちょっと意地悪で愉しそうな顔をしているに違いない。
そして顔を覆う手の甲に柔らなものが当たる。ついさっきと同じ感触に今度はこれがなんなのかすぐに理解できてしまう。
「せめて頬にするくらい許してくれないか?」
「ひ、人がきたら……」
甘えるような彼の声に絆されてしまっている。茹だる頭で出た答えがそれだった。
「……人が来なければ、いいの? 俺とキスしても」
少し嬉しそうな彼に、顔を覆う両手を解かれる。彼の綺麗な目を見た途端、体の力が抜けてしまった。もう抵抗する気もなくて、ゆっくりと迫る彼の唇を受け入れる。
「く、九条さん……っ」
「名前」
「ん……っ、誠、さん」
触れるだけのキスをして、吐息と視線が重なってもう一度触れた。今度は頭がとろけるみたいに甘くて、くらくらする。
まるで本当に大切な人を扱うような優しい手つきに、心臓がきゅうきゅうと鳴く。
――殆ど知らないこの人のこと、私はもう好きになり始めてるんだ。
昨日まで知らない人で、結婚する自分を哀れんでいたのに自分のたやすさに呆れてしまいそうになる。
でも、今くらい許して欲しい。私は見えない誰かと自分に言い訳しながら、三度目のキスを受け入れた。
見えないけど、多分ちょっと意地悪で愉しそうな顔をしているに違いない。
そして顔を覆う手の甲に柔らなものが当たる。ついさっきと同じ感触に今度はこれがなんなのかすぐに理解できてしまう。
「せめて頬にするくらい許してくれないか?」
「ひ、人がきたら……」
甘えるような彼の声に絆されてしまっている。茹だる頭で出た答えがそれだった。
「……人が来なければ、いいの? 俺とキスしても」
少し嬉しそうな彼に、顔を覆う両手を解かれる。彼の綺麗な目を見た途端、体の力が抜けてしまった。もう抵抗する気もなくて、ゆっくりと迫る彼の唇を受け入れる。
「く、九条さん……っ」
「名前」
「ん……っ、誠、さん」
触れるだけのキスをして、吐息と視線が重なってもう一度触れた。今度は頭がとろけるみたいに甘くて、くらくらする。
まるで本当に大切な人を扱うような優しい手つきに、心臓がきゅうきゅうと鳴く。
――殆ど知らないこの人のこと、私はもう好きになり始めてるんだ。
昨日まで知らない人で、結婚する自分を哀れんでいたのに自分のたやすさに呆れてしまいそうになる。
でも、今くらい許して欲しい。私は見えない誰かと自分に言い訳しながら、三度目のキスを受け入れた。


