【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ

 黙ってこれを受け入れろ。余計なことは聞くな。そう強い輝きがいっているような気さえしてくる。

「……ありがとうございます」

 チリチリと痛む胸を誤魔化すように精一杯微笑んで受け取った。左手の薬指にはめられた指輪のサイズはぴったりで驚いてしまう。

「指輪のサイズなんて、お伝えしましたっけ?」

「ああ。昨日手を握っただろう? 準備していたもので間違いなさそうでよかった」

 エンゲージリングを事前に準備していた? なんでもないことのように答えた彼に、そういうものなのか……と納得する。
 指輪なんて雑貨屋以外で買ったことはないし、プレゼントされたことも勿論ない私は自分の無知さに納得するしかできない。

 左手の薬指で主張するそれを眺めていると彼が「ああ、そうだ」となにか思い出したような口調になり顔をあげる。

「ゆきのはマンションと一戸建てどちらがいい?」

 まるで洋服を選ぶような口調で問われて、好みのことかな、と理解してなんとなく答える。「そうですね……お庭で家庭菜園とか憧れがあるので戸建てのほうがいいなあと思います」宇野堂は一階が和菓子屋としての厨房と販売スペースで二階は住居になっていた。そのため造りはマンションのようで庭のある戸建てにはちょっとした憧れがある。