「うっ…」

目を覚ますと、真っ白い天井が見えた。

「ここ…は…?」

どうやら私は保健室のベッドに寝かされてあるようだ。

おでこに冷えピタが貼ってある。

でも…

「私…どうやって」

確か私は廊下で倒れてしまったはず。
それからの記憶はない。

でも、意識を失う直前誰かの足音を聞いた気がする。


もしかしてその人が運んでくれたのかな…?

そう思いながら、ベッドから体を起こすとまだ頭がズキズキと痛いけど、さっきより楽になった気がする。

まだ熱で頭がぼっーとする。


とその時ベッドを囲むカーテンがシャッと開いた。

「翔…?」

そこにいたのは保健室の先生ではなく翔だった。

走ってきたようで、呼吸が荒い。

そして、その手には水、麦茶、スポーツ飲料を抱えていた。

昨日喧嘩をしてしまったのと、なぜ翔がここにいるのかが分からず何も言えず見つめていると、翔が口を開いた。

「体調大丈夫か?」

「えっ…!あ…うん。少しだるいけど平気。」

何で私が体調悪いこと知ってるんだろ…?
菜々が教えたのかな…?

「飲み物買ってきたから、好きなの飲め」

そう言うと、3本のペットボトルを私に近づけた。
私はスポーツ飲料を手に取った。

でも…

「開かない…」

まだ体に力が入らないみたいだった。

それを見た翔は何も言わず、私からペットボトルを取るとキャップを外して私に渡した。

「ありがと」

お礼を言って飲むと水分を求めていたのか、しばらく飲むのを止められたなかった。

キャップをしめると、翔に疑問に思っていたことを聞いた。

「翔は何で私が体調悪いの知ってたの?」

翔はこう答えた。

「1時間目が終わったあと、お前の教室に行ったら居なくて、お前の友達に聞いたら保健室行ったって言うから行こうとして1階に行ったらお前が保健室の近くでぶっ倒れてた。」

え…?ということは…

「翔が私を運んでくれたの?」

翔は

「ああ」

と頷いた。