「うっ…」

私、小山美香はゆっくりと重い体を起こした。体がだるく目の前がなんだかぼやけて見える。体も熱い。

「学校行く準備しなきゃ…」

今日は小テストがあるのだ。たかが小テストだけど、結構勉強してきたし受けないとなと思う。

あと、もう1つやらなくちゃいけないこともあるし…

両親はもう出掛けてしまったようだ。

ふらふらとする足どりで家を出ると、学校へと向かった。

何とか学校へ着き、教室に入ると1時間目のテストのための勉強をする。

「いった…」

頭がズキズキと痛んできた。内容も全然入ってこない。

友達の菜々が

「体調悪そうだけど大丈夫?」

と話しかけてきた。

「大丈夫」

と無理に微笑んでそう言った。

「嘘。早く保健室行ったら?倒れたりしたら翔君心配するよ?」

翔…私の彼氏だ。

「本当に大丈夫だって…。あと、翔とは今喧嘩中だし心配なんて…。」

するわけないよ…

菜々は呆れたみたいな顔で

「そんなわけないでしょ!喧嘩中だからとか関係ないの!っていうかだから今日一緒に登校してこなかったのね!」

と熱く語りだした。それからもいろいろと言っていたけど、頭が痛むせいで入ってこなかった。

翔とは隣のクラスで、いつもは一緒に登校してる。でも、昨日ちょっとしたことで喧嘩をしてしまった。

私が悪いって思ってるけど…
素直に謝るなんてできないよ…

ピンポンパンポーン

チャイムが鳴って、菜々は

「悪くなったらすぐに保健室に行くんだよ?」

と不安そうに言いながら席に戻っていった。