さぎりをバイト先まで迎えに行った日から、俺達は一緒にいることが多くなった。当然、愛し合う回数も相当増えている。
それに、出版社からの仕事もかなり増えた。これが一時的なものなのか、それとも永続的なことなのか、一度加藤さんに聞いてみた。
結果はズバリ後者。加藤さん曰く、俺の仕事は日に日に正確で早くなっているんだそうだ。
そこで、これまであまり依頼しなかった長い特集記事等も任せてみたのだと言う。
授業が始まれば考慮するとは言っていたが、それでも学生には充分過ぎる給料になるだろう。

一人暮らしの話についても親には話してある。
反応としては、渋ってはいたが、だめと言い切れないと言ったところだろうか。
まぁ、それもそうだろう。成績は常にトップだし、自分の力で稼いでいるのだから。
旅行明けにしっかりと話をして、可能であれば夏休みの間に住む家を決めたいと思っている。

「詩乃ー?準備できた??」
さぎりだ。今日は旅行2日目だ。
元々2泊3日のつもりだったが、せっかくの夏休みなので3泊4日にし、のんびり過ごすことにしている。
『今行くよー!』
宿泊先にはヴィレッジタイプの宿を選び、朝食のみがついたプランだ。部屋には露天風呂もついてる。
「朝ごはん、行こっか」
朝食だけは食堂に行って摂ることになっている。
自分達の棟を出て、ヴィレッジ全体の中心に位置する管理棟へ向かう。
『うん。今日も楽しみだな!』
「うん!」
朝食は簡単なバイキングだったが、料理はどれも美味かった。
『夕食なしのプランとは言え、これで一軒家に泊まれるなら安いもんだな。』
「そうだね。お風呂も付いてるし、いいよね!」
『声も気にしなくていいしな』
「やめてよ!恥ずかしい…」
口調は怒っているが口元は笑っていた。
俺はさぎりのこの表情が好きで何度もからかっている笑
かわいい。
『今日はどうやってするかなー?』
知らん顔でさりげなく言ったつもりが、さぎりは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
やる気満々だな笑

『部屋戻ったら、出発前にするか?』
わざと小声で聞いてみた。



実際部屋に戻ると、さぎりは顔を赤くしたままだった。
そんなに物欲しそうな顔されちゃねぇ笑
『どうしたいのか正直に言ってみな?』
そう言いながらさぎりのうなじを舐め上げる。
「んんっちょっ!」
言葉では抵抗しても身体は正直だった。
スカートの中に手を入れて脚を撫でる。
「やっ!だめっ!したくなっちゃう。。」
『なにを?』
そのまま下着の上から恥部を触る。
すでにぐっしょりと濡れていた。
「えっち、したい。」
素直なのはいいけど、もう少し焦らしてみようか。笑
『じゃ、おねだりしてみてよ。』
恥ずかしそうにしながらも、さぎりは素直に動き始めた。
俺の前に跪き、ズボンと下着を下ろして俺のモノを口に咥える。
いつものように念入りに舐めながら顔を前後に動かす。
「ねぇ、これ、欲しい。。」
唆る表情だ。俺はいつもこれが見たくて焦らしている。
『もっとよくしてくれたらな』
堪えきれなくなったのか、さぎりは口でしながら自分の恥部を触り始めた。
「んっんっうぅっ!」
喘ぎながら口でするところは俺をさらに刺激する。
『いいぞ。どうやってしたい?』
「後ろから、して。」
そう言ってベッドに四つん這いになり、スカートを捲り上げて下着を下ろした。。












朝から大いに盛り上がり、ひと休みして出発した。笑
今日は、霧降高原方面へ行ってみることになっていた。

霧降高原を登ってきた先に、街が一望できる広場があった。既に数台の車がいたが、気になるほどではない。
「すごーぃ!!綺麗だね!」
おぉ、これはすごいな。
『結構登ったんだな!』
「うん!こんなに高いところきたの初めてかも!」
さぎりは無邪気にはしゃいでいた。
ギャップが激しい。笑
この子があんな表情して…お、まずい。
「どうしたの?」
興奮してきた、とは言えない笑
『いや、なんでもない。少し降ったところに牧場あったな。後で行ってみるか?』
「うん!ソフトクリーム食べたいねっ!」
かわいいねぇ全く。
それにしても景色綺麗だなぁ。山ってこんなに面白いのか。

その後は1日中ほとんどドライブしていた。
山の景色はどこも想像していた以上に綺麗で、夢中になった。
小学生の頃に行った東照宮も、今改めて行ってみると全然違う。2人とも日本史を専攻しているだけあって盛り上がった。
「東照宮って、あちこちにあるよね。」
『うん、有名なのはこの日光東照宮と、上野東照宮、静岡の久能山東照宮かな。』
中でも
「中でも静岡とここは特に大きいよね。」
その通り。
『うん、どちらも家康のお墓として建てられてるからな。こうやっているだけで、霊的な物を感じるよな。』
「そうだね。せっかくだから、上まで登ろうよ。」
『だな。あと、御守り買って行こうか。』
そう言って日光東照宮を隅々まで見て回った。
眠り猫、鳴き龍の間。歴史的建造物はやっぱり面白い。ずっとここにいたいくらいだ。
意外に思われるかもしれないが、俺はスピリチュアルな話は好きな方だ。
いい占い師がいたらみてもらいたいと思っているくらいだ。

車に乗り込むと、さぎりが言う。
「ねぇ、今度静岡の久能山東照宮にも行ってみようよ!私、静岡って前から行ってみたかったの!」
それはいい。
『うん、いいね!ちょっと遠いけど、面白そうだな。じゃ次の旅行は静岡だな!』
「うん!今から楽しみ!」
そう言って俺の首に腕を回して抱きついてくる。
俺達は、どんな会話をしていても、次の瞬間にはお互いを求めるような状態だった。
これが俺から一方的に求めているなら問題だが、お互いに求めているのだから、相思相愛と呼んでいいだろうと思っている。
さぎりが俺の口に舌を入れてくる。
俺も舌で応じる。
「ねぇ、次はどこ行く?」
俺は、興奮を悟られないように冷静に答える。
『龍王峡のあたりはどうだ?』
ちょっと距離はあるけど、まだ3時だ。
「うん。いいよ。」
車を出そうとエンジンをかけ、シフトレバーを握ると、さぎりがそこに自分の手を重ねた。
「ねぇ、興奮してるでしょ?ここじゃだめだけど、少し走ったら車でする?」
全く。清純そうに見えて大胆だね笑
ますます好きになるわ。

龍王峡まで登っていく途中、誰も車を停めていない広場があったので、そこに車を停めた。
1番端に停め、更に車の前方が谷側に向くようにした。
『もっと興奮させてもらおうか』
さぎりの耳元で声を低くして言った。
「やっ」
どうやら興奮しているのは俺だけじゃないみたいだな笑
『1人でしてみてよ。』
「えっ?」
顔が真っ赤だ。もっと恥ずかしくしてやるよ。
『下着脱いで、脚開いて、座席に乗せて、そうそう。これ、貸してあげるよ』
嫌だとは言いながらも大した抵抗もしないさぎりと、容赦なく注文する俺は、つくづく相性がいいと思う。
俺から渡されたただ振動し続ける道具を恥部に当てがったさぎりは、1人で盛り上がっている。
「あっあっやばっ気持ちぃ。。ねぇ、もうやめていい?人がきちゃう」
『こないよ。俺しか見てない。イクまでやめるな。手伝ってやるから。』
そう言って膣内に指を入れて掻き回した。
「あぁ!だめだってば!声、我慢できないっ」
『我慢しなくていいよ。もっと声出せよ』
更に激しく掻き回す。
「あっぁっいやぁ!だめ!だめー!!イクっイクーっ!!」
激しく身体を痙攣させて、さぎりは1人で絶頂した。
まだまだ。これからだぞ。
『興奮してきたわ。上に乗ってよ。』
ズボンと下着を下ろし、避妊具を付けた。
「まっ待って、今、イッたばっかりで…んん!!あぁ!!」

容赦なく下から突き上げ、膣内で射精した。
『あぁ、最高。幸せだわ。』
さぎりは俺の上に乗ったまま、俺にもたれかかって荒い息を整えていた。。
「詩乃、大好き。私のこと、絶対離さないでね。」
ん?これは…?
さぎりは荒い息を整える中で微かに泣いているようだった。
『大丈夫だ。絶対に離したりしない。』
俺は気付かないフリをしてさぎりを抱きしめた。さぎりが、泣き顔を見せなくて済むように。
さぎりは、時々こうして泣くことがあった。
最初はびっくりして色々質問してしまったが、多分、元カレとの別れでついた傷が癒えていないんだろうと勝手に解釈した。
別にこのことで元カレを恨むつもりもないし、さぎりに追求するつもりもない。さぎりの俺への気持ちも本物だとわかっているからだ。
それに、俺とさぎりが愛し合い続けていれば必ず傷は癒えるはずだと思っている。
だから、今は不安になる時には泣かせてやった方がいいと思っているし、気付かないでいてやった方がいいとも思っている。
どうしようもないほど大泣きした時は話は別だが。
大丈夫。元カレにつけられた傷が癒えていないのも事実かもしれないけど、俺達が愛し合っていることは事実なんだからな。
俺は全部受け止めてやる。いつかさぎりが泣かなくなるまで。


龍王峡に着く頃には、もう思いっきり夕方で、ゆっくり見て回るのは明日にしようと言うことになった。
そろそろ今日の夕飯も考えないとだな。
『お腹空いたか?』
泣き止んでからはいつも通りのように見える。
「うん、もうちょっとしたら空いてきそう。」
それはよかった。食欲があれば大体のことは大丈夫だ。笑
『そうか、なににしよう?もしゆっくり食べたければ、買って帰ろうか?』
「山降りる時にいいお店があればそこでも大丈夫!帰りがてら見てみよう!」
んー。どうにも無理してる感があるな。
『OK!とりあえず行ってみるか!』
せっかく長い時間一緒にいるんだし、ゆっくり話すにもちょうどいいかもな。
龍王峡から宿までは、一度山を降りて別の山に登るイメージだった。
山を降りると今市市街に出るので、そこで見つけた洋食屋に入ることにした。
内装はログハウスをイメージした木目調で統一されていて、照明も暖かみのあるオレンジで中々いい味を出していた。
食事中は他愛もない話だけにしたが、やっぱり元気がなさそうだ。
ここは酒でも買って帰ってゆっくり話すか。


市街地にいるうちにコンビニにより、少しの酒とつまみを買って宿に帰った。
まだ7時前だった。
ゆっくりと一緒に風呂に入り、散々いちゃついて上がると、俺から話を切り出した。
『さぎり、大丈夫か?元気なさそうだな。』
途端にうまく取り繕おうとする顔になった。
「え?なにが?」
その顔はあんまり好きじゃない。
『話したくないなら、それでいい。でも、嘘はつくな。嘘はあんまり好きじゃない。』
「ごめん、なさい。」
『さぎりは、せっかくの旅行だから重い話をしたくないと思ってるかもしれないけど、せっかく長い時間一緒にいられるんだから、普段話せないようなことを話してもいいと思うぞ。』
「うん。。」
また泣きそうな顔になった。
俺は片手でさぎりの肩を抱き寄せた。
『俺も言いたいことは言う。だからさぎりもなんでも言っていい。それに、俺はいなくならない。他の誰がいなくなっても、俺には関係ない』
「うん…うん…。」
『泣きたいだけ泣いていい。思いっきり泣いて、綺麗さっぱり忘れよう。』
「うん…詩乃…大好き」
俺もだよ。
肩を抱く腕に力が入った。