「・・・・・・・」
『ナオフミさん?』
「ったく、辞令書とか早すぎだろ?伶菜もまだ復帰してないのに。」
「日詠クン、何か?」
「いえ、何も。伶菜、なんかこんなことになってしまって・・・ごめんな。」
眉を下げて私に謝ってくれたナオフミさん。
『ううん、大丈夫。頑張って。』
「一緒に頑張ろう・・・だろ?皆も伶菜が戻ってくるのを楽しみに待っているみたいだしな。」
ナオフミさんは私の肩を引き寄せながら後ろに振り返った。
そこには
“ダブルでおめでとう~☆”
“伶菜さん、日詠先生のコト、頑張って支えてあげて下さいね♪”
“家だけじゃなく、病院でもね~。だから復帰待っているよ~。”
“患者さん達も待ってるからね。”
「俺だけじゃないぞ、伶菜が復帰するのを待っているのは・・」
私達の結婚の誓いを見届けてくれた大切な人達が温かい拍手で私達を包んでくれていた。
そんな私にとって今、目の前にある光景は
ずっと私が欲しがっていたもの
今、こうやってここで彼の隣に立っていることも
ずっと私が欲しがっていたもの
これからは
ここでただ彼の隣に立つだけではなく
一緒に歩いていきたい
どんな険しい道があろうとも・・・
『皆さん、本当にありがとうございます。本当に幸せです。本当にありがたいです。本当に・・・・・・・』
「ほら、また泣く・・・本当に泣き虫だからな~」
チュッ♪
「うわ~調子に乗りやがって、やりすぎだろ、日詠サン。オレの目の前でキスとか。」
「ダンナ様の特権だろ?」
「なに~?!」
「悔しかったら、ダンナ様になるんだな・・・・譲るつもりは全くないけどな。」
「くわ~!!!相変わらずスカしたヤツだよな。今に見てろよ。」
「はいはい。」
私達を見守ってくれている大勢の人達の中に紛れていたらしい森村先生の野次も隣にいるナオフミさんは軽くかわして。
このふたりのやりとりも
ここにいる皆さんの間ではすっかり御馴染みで
“はいはい、また始まったわよ、スキにやってて”みたいな空気を久しぶりに感じることができて嬉しかった。
「せっかくだから、ブーケトスだっけ?それ、やっておくか?」
森村先生を放置してしまうナオフミさんも相変わらずで。
『そうだね。せっかくだから一緒にやる?』
オレを構ってくれオーラを出している森村先生を見てみぬフリをする私も相変わらず。



