「そう。俺は不器用だから、今の臨床の時間を減らして管理業務をするとか考えられない・・でも、どうやら俺が産科部長を引き受けると遺伝カンファレンスルームも青島みかん大福も貰えるらしいけれど・・伶菜、青島みかん大福、大好物だろ?」
『うん・・でも。』
遺伝相談スタッフルーム設置案で迷うのはまだしも
真剣に迷うとこが青島みかん大福とかって
・・・・そこ?!
確かに私は青島みかん大福がダイスキ
わざわざ購入の列に並んでも買える保証なんてないシロモノで
それが食べられるかもしれないことも嬉しいけれど
それでも
産科部長就任だよ?
私の意見をその判断材料にするとか
そんなことでいいの?
「遺伝相談カンファレンスルームもオイシイ話なんだよな・・・それでも、部長職を引き受けたら、プライベートの時間が今よりも減って伶菜や祐希達にも寂しい想いをさせるかもしれない・・だから正直迷うんだ。」
私達に寂しい想いをさせてしまうかもしれないということまで考えているということは
今までも彼はずっと産科部長就任を打診されてきて、それを引き受けたらどうなるかまで彼なりに具体的に考えていたんだと思う
それに院長が私のためにそこまで動いて下さるぐらい
ナオフミさんは必要とされている
前の私だったら
彼が産科部長に就任したら、また一緒にいられる時間が少なくなるってネガティブな気持ちになっていたと思う
そんな素振りを私が見せてしまったら
ナオフミさんは産科部長の話をあっさりと断ってしまう
・・・彼はそういう人
それぐらい彼に溺愛されていることも
今までいろいろなことがあって
私自身も自覚している
だからきっと
産科部長の就任の件は私次第
皆さんに必要とされているのに
私のせいで彼にそんなことをさせてはダメ



