わかってはいたけど現実を突きつけられると苦しくて仕方ない。


やっぱり口にしちゃいけなかったんだ。



「ご、ごめ………」


「あーあ、俺は教師失格だな」


「え?」



流れそうになる涙を袖で拭いながら聞き返す。先生が………教師失格………?


そんなことないよ。



「俺は………キミにドキドキしっぱなしだ。生徒にドキドキするなんて………さすがだな」


「…………」



ぽんぽんと頭を優しく撫でてくれる。私はびっくりしてポカーンとバカみたいに口を開けていた。


私に、ドキドキ?


先生が?



「ほ、ほんとですか?私にドキドキしてるって……。じゃあ、なんで今日私を作業に誘ったんですか」



自分で言ってても小っ恥ずかしい。私にドキドキしてるって、ドキドキ………。


嘘でしょ!?


今さらことの重大さに気づいた。


聞いた時は脳が麻痺していて回らなかったけどとんでもないこと言ったような。